読書:マネしたい!→やっぱマネしたくない。となる戦略を作る!前編【ストーリーとしての競争戦略】
「この戦略マネしたい!」と思ったけどよくよく調べてみると、
「やっぱマネしたくないな(というかできない、、、)」
となった経験はないでしょうか。
そこに競争戦略の面白さが詰まっていることに気づかされた1冊でした。
競争戦略には要諦があり、
「やっぱマネしたくない」
と思わせる戦略づくりが説明されていたので、その中から抜粋してご紹介します!
そもそも優れた戦略は色々なところで参考事例として研究されますよね。
研究される=マネされる→競争優位性がなくなる
となってしまった戦略を皆さんも目にされていると思います。
液晶テレビもそうだし、ワタミもそうだし、鳥貴族もそうですよね。
しかし!
何故か競争優位性を維持しているブランドもありますよね。
その「何故」の理由を事例をもとにご紹介します!
他社が「マネしたくない戦略」の条件
他ブランドといかに差別化するか、というのは
マーケティング活動における永遠のテーマだと思います。
他ブランドとの間に優位性がなければ売れる商品・サービスをつくることができない
ということですが、その「差別化」を分解していくと、
大きく次の2つに分けることができます。それは、
- SP(Strategic Positioning:ポジショニング)
- OC(Organizational Capability:組織能力)
の2つです。
SPとはポジションニングのことで、
SPとはポジションニングのことで、
一言でいうと「いかに競争をしない状態をつくるか」であり、
企業の内的な要因に競争優位の源泉を持つという考え方です。
わかりにくいかもしれませんので噛み砕いて説明します。
SPは相手がいた上で自分たちはどうするかという考え方なのに対して、
このOCはまず自分独自の強みをつくることを重視します。
つまり!その2つの違いを端的に言うと、
SPが「他社と違うことをする」のに対し
OCは「他社と違うものをもつ」ということです。
では、SPとOCそれぞれについて、事例を挙げながらもう少し詳しく説明をします。
デルを参考に考える、SP(ポジショニング)とは
SPにおいて重要なのは「選択と集中」の考え方です。
具体的に言うと「何をして」「何をしない」かを決めること、です。
パソコンメーカーのデルは10数年前、「ダイレクトモデル」というビジネスモデルで
パソコンメーカーのデルは10数年前、「ダイレクトモデル」というビジネスモデルで
成功をしたということで色々なところで取り沙汰されていました。
「選択と集中」で考えますと、することは
- 「流通を通さず直接顧客に販売」
- 「受注生産」
- 「低価格で販売」
そしてしないことは、
- 「最先端の技術を追わない」
- 「見込み生産をしない」
- 「外部のチャネルを使わない」
だったそうです。
それにより他社とは違う独自のポジショニングをとることに成功したそうです。
ですが!!
ここからは書籍には書いてなかった内容なのですが、
このダイレクトモデルの成功の後、デルのビジネスは困難を極めます。
個人的にはこの後の話を通して、「一つの戦略を行く末」を見るのが
非常に楽しかったです!
他社が簡単にマネできないモデルを築いた
これは非常に素晴らしいことなのですが、諸刃の剣でもあります。
つまり変化に弱い体質になってしまうということです。
実際にデルに起きた最も大きな悲劇の一つは、
PCのOEM供給元であった台湾企業が、
自社のブランドを冠して独自に販売を開始してしまったことです。
そのブランドはASUS(エイスース)です。
今では日本でも有名なブランドですよね。
それにより、このダイレクトモデルが実現していた価値である
低価格
において優位性がなくなってしまいました。
つまりSPの考え方でいうと、
他社と差別化されていないし競合優位性もない、
という状態になってしまいました。
そのあたりからデルは失速し、創業者のマイケル・デル氏が2013年に
MBO(マネジメント・バイアウト)をして非上場化しました。
続いてOCについてご説明をしたいのですが、
長くなってきたので、次の記事でご紹介いたします!
こちらがその記事です↓
それでは本日も楽しんでいきましょう!