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Good!!マーケティング:基本のトマトソース:戦略ターゲット選びの妙!

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Good!マーケティング:基本のトマトソース

 世の中の優れたマーケティング事例をご紹介します!

今回はカゴメ基本のトマトソースの戦略を紐解いていきましょう。 

マーケティング戦略「Who・What・How」に分解して紐解くこと

とてもわかりやすくなります。

 

結論からですが、この事例のGoodポイントは、

  1. 最初の購入率が低いという、課題を正確に把握した
  2. 戦略ターゲットに本質的価値を提供することにフォーカスした
  3. 最適なプロモーション手法を選択した

以上の3つでした。

 

カゴメが料理教室大手のABCクッキングスタジオと連携し、料理教室や幼稚園向けに10万人分のトマトソースの試供品を配るイベントを行ったそうです。

 

基本のトマトソース。みなさんは使ったことがありますか?

私は使ったことがなく、商品の存在自体知りませんでした。

カゴメ基本のトマトソース |カゴメ濃厚仕立てのトマトソース

こちらが商品ページです↑

「(パスタにかけるような)トマトソースをイチから作るのは、手間がかかるし難しい」

そんな悩みを解決する商品で、下ごしらえが既に済んでいるそうです。

トマトソースづくりの工程は、

  1. トマトを湯剥きする
  2. トマト・にんにく・玉ねぎを刻む
  3. にんにく・玉ねぎを炒める
  4. トマトを加えて10分煮込む

これだけあるそうです。確かに時間と手間がかかります。

それが既に済んでいてなおかつプロ品質の味が楽しめる、というコンセプトですね。

 

プロモーションの全体像 

 

ABCクッキングスタジオが主催する料理教室の参加者6万1000人に無料で配布するほか、全国の幼稚園の園児1万8000人などにも配る予定だ。

(中略)

トマトソースは下ごしらえの手間が省けるためリピート率は50%と高いが、

「最初の購入率が低いというハードルをいかにして越えるかが課題だった」

料理に関心のある女性などが集まる料理教室や幼稚園での配布を決めた。

( 2020/12/18 日経MJより引用)

商品が抱える課題や強みが書かれていますね。

そして課題を達成するためのプロモーション施策として、

ABCクッキングでのサンプリングや幼稚園で配布をしたとのことですが、その戦略→戦術の流れがキレイですね。

ではその流れを、Who→What→Howの順番で見ていきます。

 

Who:最初の購入率が低いというハードルを超える

 

「パスタソースって何?」と言われると、

レンジでチンしてパスタにかけるだけの商品

をイメージする人も多いのでは。

私はそうでした。

そのような市場においてこの商品は独自性が強い商品なのだと思います。

しかしその競合が少ない反面、そもそもそういう商品があることを生活者が認知していない、という課題があったのではないかと思います。

記事中の、

最初の購入率が低いというハードルをいかにして越えるかが課題だった

という言葉がまさにそれで、それは独自性がある商品のあるあるですね。

認知・使用体験の観点から顧客を以下のように分類できます。

  1. 知らない人
  2. 知っているけど買ったことがない
  3. 1回買ったけど、それ以後買っていない
  4. 継続的にたまに購入する
  5. 継続的に頻繁に購入する

1から2へ、2から3へ………とステップアップさせるためにどうするかと考えたり、

ボトルネックになっているのはどこの顧客群かを分析することで課題が浮かび上がってきます。

今回のケースは

1.知らない人
2.知っているけど買ったことがない

この顧客群を戦略ターゲットに設定したということですね。

 

What:ターゲットにどんな価値を提供するか?

 

このWhatは誤解されることが多いのですが、機能価値だけではいけません。

ソースの下ごしらえ不要で、なおかつプロ品質の味が楽しめる、というのは機能価値でしかありません。

それを得ることで購入者はどんなベネフィットを得られるのか、どんな情緒価値を得られるのか。

噛み砕いて言えば、

この商品を使うことで、購入者はどんな気持ちになるのか

それがWhatにあたります。

今回、小さい子どもを持つ料理好きの母親をターゲットにしていることからWhatが読み取れます。

まずすごく料理好きでこだわりが強い人は、恐らくABCクッキングに通わないのではないかと思います。

そういう人達は既製品ではなく自分で下ごしらえからすることに慣れているので、この商品を欲しいとは思わないのではないかと思います。

 

しかし、料理が好きだけど、小さい子どもがいる母親はどうでしょうか。

子育てをしながらの料理はとても大変ですので、少しでも手軽・時短になることはとても価値があると思います。

また、子どもには安全なものを食べさせたい、と考える母親も多いですよね。

そういうニーズを持った母親たちに対して、

「家族への愛情と手軽さ」という価値を提供するのがこの商品の

Whatなのだと思います。

 

How:使用体験をつくることを重視したプロモーション

 

 では、

この商品を買ったことがない、毎日忙しい料理好きの母親

に対して、家族への愛情と手軽さを提供する商品であることを訴求するために

何をすればいいか、どういうプロモーション手法がいいのでしょうか。

 

記事によると

トマトソースは下ごしらえの手間が省けるためリピート率は50%と高い 

ということなので、リピート率が非常に高いですね。

つまり、まず使ってもらうという体験を生み出すことがプロモーションにおいて重要になります。

例えば広告活動だけだとこの商品の特徴上、

「知っているけどよくわからない」

となってしまい、購入に至らせる力が弱いのではないかと予想します。

記事によるとABCクッキングと幼稚園へのサンプリングをしたそうです。

 料理好きの母親が多く通っているのでしょうね。

そして幼稚園へのサンプリングは、直接母親にリーチできますね。

 

まとめ

 

冒頭にも書きましたが、今回の事例のGood!!ポイントは以下の3つです。

  • 最初の購入率が低いという、課題を正確に把握した
  • 戦略ターゲットに本質的価値を提供することにフォーカスした
  • 最適なプロモーション手法を選択した

今回ご紹介した「Who・What・How」で考えるマーケティングについて詳しく紹介した記事もありますので、貼り付けておきます↓

tana-t.hatenablog.com

 

今回は以上です!

それではみなさま、本日も楽しんでいきましょう!