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後編-読書:マネしたい!→やっぱマネしたくない。となる戦略を作る!【ストーリーとしての競争戦略】

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ストーリーとしての競争戦略/楠木建

 

前回をざっと振り返ると、

  1. 競争戦略は大きく2つに分かれる
  2. それはSP(ポジショニング)とOC(組織能力)である
  3. SPは「他社と違うことをする」戦略
  4. OCは「他社と違うものをもつ」戦略

という感じでご紹介しました。前回分はこちらです↓

tana-t.hatenablog.com

それでは早速ですが今回はOCについてご紹介します。

 

セブンイレブンを参考に考える、OC(組織能力)とは

OCとは簡単に言いますと、

「競争に勝つために独自の強みを持とう」

です。それだけを聞くと「当たり前じゃん」という話ですが、その独自の強み」とはなにか?

もっと具体化に掘り下げてご説明いたします。

 

さまざまな経営資源の中で「組織特殊性」の条件を満たすものを(中略)OCといいます。組織特殊性とは、平たくいえば「他社が簡単にはまねできず(まねしようと思っても大きなコストがかかる)、市場でも容易には買えない」ということです。(著書P126より抜粋)

 

以上の通り独自の強みには「組織特殊性」が重要な要素であり、それが故に「簡単にマネしたくてもできない」という状態を生み出してくれます。

では他社が簡単にマネできない経営資源とは何かというと、本書の中でこのように結論付けられています!

 

組織に定着している「ルーティーン」だというのが結論です。ルーティーンとは、「あっさりいえば物事のやり方」です。(著書P126より抜粋)

 

ルーティーとはどういうことか?ここからは事例を通してご説明します。

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(画像引用元:https://www.sej.co.jp/company/

まずコンビニ業界について。

セブンイレブンは、店舗あたりの売上が他のコンビニを30%も上回っていて、

頭一つ抜けています。

「なぜセブンイレブンは強いのか」

強さの理由はこのルーティーで説明ができます。

 

具体的に言うと「仮説検証型発注」と呼ばれる、長い時間をかけて作り上げられた「やり方」です。

どういうことかを説明するために、まず対比としてウォルマート「やり方」を説明します。

ウォルマートに代表されるアメリカの大規模小売チェーンでは、「自動発注システム」で発注業務が行われています。

店舗に供給される商品量を、本部側で過去の発注履歴や販売実績の情報を基に、ある計算式に基づいてコンピューターで算出します。

合理的で素晴らしいやり方ですよね。

 

様々な情報を発注の判断に活かすというのは、セブンイレブン仮説検証型発注も同じ機能をもつそうです。

しかし絶対的に違う点があります!それは、

誰がデータを分析し発注量を決定するかという点です。

セブンイレブン「仮説検証型発注」では発注の意思決定を店舗側で行うんですね。

つまり店舗の発注担当者は、自ら立てた仮説に基づいて発注量を決定します。

 

例えばある店長が、

「今週の土曜日、店舗近くのあの小学校で運動会があるんだ!」

と知ったとします。

するとその店長は、

「普段よりもおにぎりが多く売れるんじゃないか」

「そして合わせてスポーツ飲料も買っていくよな」

「バナナもあったらいいかもしれない」

という「仮説」を立て発注量を決定する、という流れになります。

本部からデータをもちろん共有されるのですが、役割としては店舗担当者の意思決定をサポートするための情報となります。

 

まとめますと、以下のような流れで「仮説」を「検証」し「改善」されていきます。

①発注担当者は自分の経験に基づく直感や洞察と本部からのデータを組み合わせて仮説を立てる

②発注量決定

③その仮説が間違っていなかったかを販売データで確認

④次の発注に活かす

 

 

こうしたサイクルが日々繰り返されるていることで、

他社が容易にマネできないルーティーン=OC

が生まれます。


仮説検証型発注を支えているもう一つのルーティーンが情報共有の仕組みです。

店舗から経験や過去の成功事例などの情報が、店舗指導を担当する「オペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC)」を通じて本部に集められます。

そして本部から集約されたさまざまな成功事例がOFCを通じて店舗にフィードバックされます。

また、驚くべきは1000人を超えるOFCが毎週全国各地から本部に集まり、商品・市場の動きについて情報交換するルーティンがあるということです。

 

毎週それだけ多くの人を集めることは費用的なコストと時間的なコストがかかるので、あまりマネをしたいことでは無いと思いますが、それをルーティーンにしていることこそがOCであり、他社とは違うものです。

 

以上がマネできない戦略の中身でした!

SPとOCでどちらが重要なのか?

と言うと「どちらも重要」という回答になります。

本書の中でもそのどちらも持った戦略を生み出すことの重要性が説かれています。

SPとOCどちらも持ち合わせた戦略Mそれが実現されると、、、
マネしたい!→やっぱマネしたくない。

という戦略が生まれるんですね!

 

今回は以上でございます!

よろしければ前回分も読んでいただけますと嬉しいです。貼り付けておきます↓

tana-t.hatenablog.com

 

それでは今日もエンジョイしましょう!